勃起不全治療薬PDE5阻害剤アバナフィルの選択性: 臨床的安全性と忍容性向上への示唆(原題:Selectivity of Avanafil, a PDE5 Inhibitor for the Treatment of Erectile Dysfunction: Implications for Clinical Safety and Improved Tolerability)
性医学ジャーナル、第9巻、第8号、2012年8月、2122-2129ページ、https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2012.02822.x
発行日2012年08月01日
Contents
はじめに
ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害薬は勃起不全(ED)の治療に適応があるが、他のPDEアイソザイム(PDE1:心臓、PDE6:網膜、PDE11:骨格筋など)も阻害し、標的組織に影響を及ぼす可能性があり、場合によっては望ましくない副作用や治療中止の原因となる。in vitro試験のデータから、ED治療薬のPDE5阻害薬であるアバナフィルは、PDE5に対して強い選択性を示し、他のすべてのPDEアイソザイムに対しても選択性を示すことが示された。
目的
PDEアイソザイムに対するアバナフィルの阻害作用をシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルと比較検討し、臨床試験における安全性に関する考察を行う。
方法
アバナフィルのin vitro選択性データ(査読付き学術誌の主要発表データおよび学術会議の抄録)のレビュー、PDE5阻害薬の安全性データに関する関連論文のPubMed検索、アバナフィルの第1、2、3相臨床試験の発表論文および抄録のレビュー。
主要評価項目
PDEに関連する有害事象の発現率が低いのは、アバナフィルの非PDE5アイソザイムに対する高い選択性が反映されている可能性がある。
結果
アバナフィルはPDE5に対して高い選択性を示し、試験された他のすべてのPDEアイソザイムに対しても高い選択性を示した。PDE1、PDE6、およびPDE11に対する選択性が低いことは、無作為化プラセボ対照第3相試験の結果と一致しており、アバナフィルを1日1回200mgまで投与した場合、筋骨格系および血行動態系の有害事象は患者の2%未満で報告され、色覚関連の異常は報告されなかった。
結論
データは、アバナフィルがPDE5に対する高い特異性と他のPDEアイソザイムに対する全体的な選択性により、特定の有害事象の発生率が低いという安全性上の利点をもたらす可能性を示唆している。