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公開日:2024/11/17
最終更新日:2024/11/17

勃起不全および心血管リスク因子を持つ男性を対象とした大規模な全国コホートにおけるホスホジエステラーゼ5阻害薬の主要な有害心血管イベントおよび全死亡率への影響:医療請求および全国死亡指数データに基づくレトロスペクティブ観察研究

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勃起不全および心血管リスク因子を持つ男性を対象とした大規模な全国コホートにおけるホスホジエステラーゼ5阻害薬の主要な有害心血管イベントおよび全死亡率への影響:医療請求および全国死亡指数データに基づくレトロスペクティブ観察研究

勃起不全および心血管リスク因子を持つ男性を対象とした大規模な全国コホートにおけるホスホジエステラーゼ5阻害薬の主要な有害心血管イベントおよび全死亡率への影響:医療請求および全国死亡指数データに基づくレトロスペクティブ観察研究(原題:Effect of phosphodiesterase type 5 inhibitors on major adverse cardiovascular events and overall mortality in a large nationwide cohort of men with erectile dysfunction and cardiovascular risk factors: A retrospective, observational study based on healthcare claims and national death index data)
The Journal of Sexual Medicine, Volume 20, Issue 1, January 2023, Pages 38–48,
公開日:2023年1月13日
https://academic.oup.com/jsm/article/20/1/38/6986842?searchresult=1

Contents

背景

ホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE-5is)による治療は、勃起不全(ED)の治療に有効である。

目的

本研究の目的は、PDE-5isが主要有害心血管(CV)イベント(MACE;心血管死、心筋梗塞による入院、冠動脈再灌流、脳卒中、心不全、不安定狭心症の複合転帰)および全死亡率に及ぼす影響を明らかにすることである。

方法

2006年1月1日から2020年10月31日までの1年間に、主要有害心血管(CV)イベント(MACE;心血管死、心筋梗塞による入院、冠動脈再灌流、脳卒中、心不全、不安定狭心症の複合転帰)を経験していない1回以上の勃起不全(ED)の診断を受けた男性を対象に、米国の大型保険請求データベースでレトロスペクティブ観察コホート研究を実施した。 曝露群はPDE-5iの保険請求が1回以上あり、非曝露群はPDE-5iの保険請求がなく、両群はベースラインのリスク変数で1:4の割合でマッチさせた。

結果

主要評価項目は MACE であり、副次評価項目は全死亡率および MACE の個々の構成要素であり、多変量 Cox 比例ハザードモデリングによって決定された。

結果

マッチングおよび多変量解析により、PDE-5阻害薬に曝露した男性(n=23,816)では、曝露していない男性(n=48,682)と比較して、MACEが13%低下することが示された(ハザード比[HR] 0.87;95% CI 0.79-0.95;P=0.001) 2)をそれぞれ37ヵ月および29ヵ月の平均追跡期間で比較したところ、冠動脈再灌流(HR 0.85;95%CI 0.73-0.98;P=0.029)、心不全(HR 0.83;95%CI 0.72-0.97 ;P=0.016)、不安定狭心症(HR 0.78;95% CI 0.64-0.96;P=0.021)、心血管疾患による死亡(HR 0.61;95% CI 0.41-0.90;P=0.014)が認められた。ホスホジエステラーゼ5阻害薬を投与された男性では、全死亡率が25%低下した(HR 0.75;95% CI 0.65-0.87;P < 0.001)。冠動脈疾患(CAD)のない男性で、ベースライン時に心血管リスク因子を有する場合も同様のパターンを示した。主要研究コホートでは、PDE-5i への曝露量が最高四分位群の男性は、最低四分位群と比較して、MACE 発生率(HR 0.45;95% CI 0.37-0.54;P < 0.001)および全死亡率(HR 0.51;95% CI 0.37-0.71;P < 0.001)が最も低かった。ベースライン時に2型糖尿病であったサブグループ(n=6503)では、PDE-5iの使用はMACEリスクの低下と関連していた(HR 0.79;95%CI 0.64-0.97;P=0.022)。

臨床的意義

PDE-5iには心臓保護作用がある可能性がある。

長所と限界

長所は参加者の人数の多さとデータの整合性であり、短所は研究が後ろ向きであることと、交絡因子が不明であることである。

結論

EDを患う米国男性の大規模集団において、PDE-5iの使用は、非使用と比較して、MACE、心血管死、および全死亡率のリスク低下と関連していた。リスクの低減はPDE-5iの使用量と相関していた。

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