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公開日:2021/03/10
最終更新日:2021/03/10

残尿測定の方法と測定で分かる病気

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残尿測定の方法と測定で分かる病気

「何となく残尿感がある」、「排尿時に下腹部が痛い」。このような症状に心当たりがある方は、何らかの病気になっている可能性があります。特に、残尿感が気になる方は、残尿測定を受けてみてはいかがでしょうか。病気を見つけるきっかけになるでしょう。
そこでこの記事では、残尿測定の概要や方法、測定によって分かる病気などを解説します。

Contents

残尿測定とは

残尿測定というのは、排尿後、膀胱内にどれくらいの尿が残っているのかを調べることです。泌尿器科の病院やクリニックで実施されており、測定することでさまざまな病気を発見できます。そのため、とても大切な検査だといえるでしょう。

残尿測定の方法

残尿測定の方法は、主に2つあります。カテーテルの挿入と、腹部超音波検査(エコー)です。ここからは、それぞれの測定方法について説明します。

カテーテルの挿入

尿道にカテーテルという細い管を挿入した上で尿を出し、採尿バッグに溜めるという方法です。以前はこの方法が一般的でしたが、挿入時に痛みがあり、体に負担がかかっていました。尿道が傷ついて、そこから細菌が入るケースもありました。
恥ずかしいと感じる人も多く、精神的にも苦痛を伴う検査だったのです。それゆえ、近年カテーテルはあまり使用されていません。

ただし、正確な残尿量を測定できるのはカテーテルであるため、場合によってはこの方法が採用されます。不安を感じる場合は、事前に医師に相談してみましょう。

腹部超音波検査(エコー)

ベッドに横になり、恥骨あたりにある膀胱部分に専用のジェルなどを塗布し、エコーを当てます。そして、超音波によってさまざまな角度から膀胱を画像化することで、残尿の測定が可能です。

ジェルの塗布やエコーの機械が肌に当たることで、冷たさは感じるかもしれませんが、痛みを感じることはないでしょう。

残尿測定を受けたほうがよい場合

・排尿後、頻繁に残尿感がある
・排尿する時に痛みを伴う
・血尿が見られる
・失禁が続く

このような症状がある場合は放置せず、早めに病院に行ってください。早期発見と早期治療が重要です。

残尿感を放置するとどうなる?

残尿感を放置していると症状が悪化し、重大な病気に繋がる恐れがあります。たとえば、腎盂腎炎(じんうじんえん)という病気は尿や細菌が腎臓に流れ込み、細菌に感染して引き起こされます。高熱や頭痛、倦怠感などの症状が見られるでしょう。

風邪だと思って放置していると、悪化して敗血症や腎不全になるかもしれません。そうなると、人工透析や手術などが必要となることが考えられます。最悪の場合、死に至るケースもあるのです。

ここまで悪化しなかったとしても、残尿感によって頻尿の症状が出ると日常生活に支障をきたします。睡眠不足やストレスによって、体調を崩すかもしれません。その結果、残尿感がさらに悪化することも考えられるのです。

したがって、「ただの残尿感だ」と思い、放置することは非常に危険です。少しでも違和感を覚えた場合は、速やかに泌尿器科を受診してください。

残尿測定で見つけられる病気

残尿測定を行うことで、以下のような病気を発見できます。なお、治療を検討したほうがよいのは、残尿が50ml以上の場合だとされています。体に異常がなくても、10~15mlほどの残尿があることは普通です。ただし例外もあるため、詳しくは医師に相談してください。

前立腺肥大症

精液を作る臓器である「前立腺」の病気です。前立腺の細胞の数が増加してしまい、肥大して通常よりも大きくなります。その結果、尿が出にくくなるなどの症状が発生するのです。

この病気の原因としては、「アンドロゲン」という男性ホルモンの上昇が考えられています。
そして、アンドロゲンが上昇する原因は、バランスの悪い食生活。脂質やタンパク質の摂取量が多くなると、発症する可能性が高くなるでしょう。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えている人や、50歳以上の男性は、特に注意してください。

慢性膀胱炎

膀胱の粘膜が炎症を起こしている病気です。細菌が膀胱に侵入することで起こったり、急性膀胱炎を繰り返すことで発症したりします。また、尿路結石や糖尿病などの基礎疾患が原因となる可能性もあるでしょう。

慢性膀胱炎になると、頻尿や残尿感、排尿痛や下腹部の不快感などの症状が出ます。急性膀胱炎よりも軽症なことが多く、自覚症状がなくて長年気がつかないこともあり得ます。

自覚症状があり慢性膀胱炎の診断を受けた場合は、抗生剤などを利用して治療しましょう。しかし、基礎疾患がある場合は、薬だけでは改善しないことが考えられます。症状に合わせた治療を行う必要があるため、速やかに医師に相談してください。

神経因性膀胱

中枢神経や脊髄、膀胱などの末梢神経の病気によって引き起こされる、さまざまな病気のことです。神経因性膀胱を引き起こす原因としては、脳卒中や多発性硬化症、椎間板ヘルニアなどが挙げられます。

これらの病気によって、脳が排尿反射をコントロールできなくなり、残尿や頻尿などの排尿困難が発生するのです。

あらゆる病気が原因になっていることから治療は複雑で、いろいろな方法が検討されます。場合によっては手術を行うこともあるでしょう。症状を放置していると、尿路感染や腎機能の低下などに繋がるため、きちんと治療しなければいけません。

過活動膀胱

頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁などが起こる疾患です。聞き慣れない病名だと感じる人がいるかもしれませんが、40歳以上の男女の場合、8人に1人が悩まされていると言われています。加齢によって引き起こる可能性のある、とても身近な病気なのです。

・起きている時に8回以上トイレに行きたくなる
・睡眠時にトイレに行くために起きてしまう
・急に尿意をもよおす
・尿を我慢できずに漏れてしまう

これらの症状に思い当たる場合は、過活動膀胱が疑われます。泌尿器科を受診し、適切な治療を受けてください。
水分を控える、体操をするなどの、簡単に取り入れやすい行動療法もあります。

残尿感は放置しないことが大切

排尿後に残尿感を覚えること自体は、それほど珍しいことではありません。しかし、それが頻繁に発生したり、痛みを伴ったりする場合は注意が必要です。何らかの病気が隠されている可能性があるでしょう。
まずは泌尿器科を受診して、残尿測定を受けることをおすすめします。病気が見つかった場合は、適切な治療を行いましょう。
ただの残尿感だと思って、放置することは避けてください。

-男性器の悩み

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