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日本には「隠れセックスレス夫婦」が大量に存在している?セックスレスの定義とは?
「ウチの夫婦、もう2か月はセックスしてないから、完全にセックスレスだよ」
「2か月ならまだマシだよ、ウチはもう半年してないぜ…」
居酒屋で心を許した友人や同僚と、このような会話を交わした経験がある人もいるのではないでしょうか。
セックスレスは夫婦にとって、離婚の原因ともなりかねない大きな問題です。
特に日本人は、世界から見ても驚くほどセックスの頻度が少なく、セックスレスになりがちとも言われているのです。
セックスレスの定義は「一か月以上の性交がない」場合を指す!
そんなセックスレスですが、具体的にどのくらいの期間セックスをしなければセックスレスとされるのか、その定義はあまり知られていません。
「日本性科学会」が1994年に定義したところによると、セックスレスとは「特別な事情がないにも関わらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが一か月以上ないこと」を指す、とされています。
「セクシュアル・コンタクト」とは、キスやペッティング、裸でのベッドインなど、性交以外の触れ合いも含んでいます。
しかし一か月とは、「意外と短い」と感じる人が多いのではないでしょうか?
日本には自覚のない「隠れセックスレス」夫婦が大勢存在している!
2007年にWEBサイト「MSN毎日インタラクティブ」にて、「セックスレスといえるのは?」とのアンケートが実施されました。
「1か月」「2か月」「半年」「1年」「4年」「12年」の6つの回答の中から、自分がセックスレスだと思う期間を選ぶ形式の簡易アンケートで、約8800件の回答が寄せられた、とのことです。
もっとも多かったのは「半年」の32%であり、「1か月」と答えたのは25%。
この結果から考えると、日本人の4人に3人は「1か月以上セックスがなくても、セックスレスではない」と考えていることになります。
日本性科学会の定義からすると、日本には自分がセックスレスである自覚のない「隠れセックスレス」の人が大量に存在していることになります。
セックスレスは浮気や不倫の理由となり、夫婦の破局原因ともなる重大な問題。
決して軽く考えず、心当たりがあったら早めに解決に動くべき問題なのです。
夫が妻とのセックスを拒むセックスレス夫婦も!その原因の1つは「ED」!
夫婦がセックスレスになってしまう原因にはさまざまなものがありますが、「夫が妻とのセックスを拒む」ことによるセックスレス夫婦も、相当数存在しています。
セックスレスには「妻が夫とのセックスを拒否する」ことが原因、とのイメージが強いため、意外な事実と言えるかもしれません。
男性向けの性的商品が多数あるからと言って男性が皆セックス好きではない
「セックスレスは妻が夫を拒むため」のイメージがある原因は、世の中に溢れる「性的な快楽」の提供を行う商品のほとんどが男性向けであるためでしょう。
「アダルトビデオ」や「性風俗店」、「オトナのオモチャ」に「オナニーグッズ」に「エロ漫画」…などなど。
最近では「女性向け」商品も登場してきているとは言え、その数は男性向けに比べたら微々たるもの。
そういった理由から、「男は全員セックスが好き」とのイメージがあるわけですね。
しかし実際はそうではなく、妻とのセックスを拒否する夫も多数存在しています。
その原因は複数考えられますが、その中の大きな1つが「ED」の問題です。
妻に「自分がEDだ」と言い出せないためセックスレスになる夫たち
EDとは「勃起機能不全」または「勃起機能障害」と呼ばれる症状のこと。
読んで字のごとく、男性器が勃起しなくなってしまう状態を指します。
EDは高年齢者に多い症状と思われがちですが、現在は30代でも発症する男性が増えてきているのです。
男性にとって「男性器が勃起すること」は、「自分が男性であること」を証明する大事なポイント。
そのためEDになってしまった男性は、その事実を認められず、周囲に隠そうとする傾向があります。
当然その「EDの事実を隠そうとする」対象には、妻も含まれているのです。EDの夫はセックスはもちろん、軽いスキンシップやキスすら避けるようになってしまいます。応じてその先を求められると困りますし、何よりも自分が妻と触れ合っても勃起しない、そんな事実を目の前に突き付けられるのを避けるためです。
こうしてEDを原因とするセックスレス夫婦が生まれてしまうことは、夫はもちろん、妻にとっても大変に不幸なことだ、と言えるでしょう。
セックスレスの原因となるEDの具体的な症状とEDを発症する理由とは?
さきほど、セックスレスの原因の1つであるEDについて簡単に説明しました。
「ひょっとして自分もEDかも…」と悩んでいる方のために、EDの具体的な症状や有病率、EDになる原因を詳しくご説明します。
セックスレスの原因であるEDの症状と有病率
EDの定義は、「性行為時に勃起すること、または勃起状態を維持できない期間が最低でも6か月にわたり、性行為の機会の大半、最低でも75%で起こる」状態とされています。また一口にEDと言っても、その症状の現れ方によって4つのタイプに分類されています。
1つめは「生来型」で、生まれてから一度も満足にセックスできるだけの勃起をしたことがないケース。
2つめは「獲得型」で、以前は問題なく勃起してセックスできていたのに、ある日勃起しなくなってしまうケース。
3つめは「状況型」で、特定の状況下、たとえば風俗店などでは勃起できるのに、妻とのセックスでは勃起できないケース。
4つめは「全般型」で、どんな相手でも、どんなセックスでも勃起できないケースです。
EDの有病率は、年齢が上になるほど高くなります。40代から80代の男性は、全体の約13%から21%がEDの症状を訴えることがあり、中でも60代から70代になると、その40%から50%近くがEDとなる可能性を持っています。
40歳よりも若い男性が頻繁にEDの症状を訴える割合は約2%と低めではありますが、若いからと言って発症しないわけではないのは、先にもご説明した通りです。
セックスレスの原因となるEDを発症する理由とは?
EDを発症する原因には、肉体的な要因と心理的な要因があります。
肉体的な要因としては、前立腺肥大に関連して起こる、膀胱に尿を溜めたり、尿を排出したりといった下部尿路症状が発生している男性にEDが多く発症することが知られています。また心血管疾患、多発性硬化症、性腺機能低下症、脂質異常症、糖尿病なども、EDを引き起こす原因となります。
これらは年齢を重ねたり、不摂生な生活習慣が続くほど、発症する可能性が高い症状ですので、日頃から摂生した生活を送ることが一番のED予防法、と言えるかもしれませんね。
一方、「妻とのセックスでは勃起しないけれど、オナニーや他の女性とのセックスでは勃起する」という場合、心理的な要因があることが疑われます。EDの症状を持つ男性には、自尊心の低さや男性性意識の低さが見られることが多くあります。
妻とのセックスで勃起しない、という現実がプレッシャーとなり、自信を喪失してさらにED症状が悪化してしまうことも。
また抑うつ症状や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された男性も、EDを発症するケースが多く見られます。
夫婦間のトラブルの原因となるセックスレスを改善する方法とは?
セックスレスは、夫婦間の大きな問題であるだけに、何となく漫然とした対策をして改善する、というものではありません。
まずは「何が原因となって、セックスレスを引き起こしているのか?」をはっきりとさせ、その原因を解決することでセックスレスの改善を目指すことになります。
セックスレスの原因が夫のEDにある場合
夫婦間のセックスレスの原因が、夫のEDにある場合は、まずはそのEDの改善を目指します。EDの治療には多くの場合、バイアグラなどの「PDE5阻害薬」と呼ばれる薬の服用が効果的とされています。
これらの薬は男性器の海綿体を拡張し、血流を増加させることによって、勃起を促進するため、EDに対して効果があるのです。
ただし誰にでも使えるわけではなく、他の薬を服用している場合などは、その薬との相性によっては使用できません。
またEDだけでなく、男性の射精障害や性欲障害もセックスレスの原因となります。
この場合は症状に応じたホルモン補充療法や、行動療法などが選択されます。
いずれにせよ専門の医師による診断と、適切な治療法の選択が必要となりますので、心当たりのある男性は一度病院で診てもらうべきでしょう。
セックスレスの原因が夫婦間の性欲の不一致にある場合
夫婦間の性欲の不一致、つまり「身体の相性が悪い」「何となくセックスの相性が悪い」と一度感じてしまうと、それが原因となってセックスが面倒で煩わしいものとなってしまい、セックスレスとなってしまう可能性が高まります。
こういった場合は、医師によるカウンセリングや、「感覚集中訓練」という臨床指導などを受けることで、セックスレスが改善する場合があります。
この場合、夫のみまたは妻のみで診察を受けても、セックスレスが改善する見込みはあまり高くはありません。
パートナーと一緒に診察を受けることで、医師も対策を講じやすく、臨床治療も2人で行うことで効果がより高くなります。
セックスレスの原因が夫のEDにある場合も、夫婦間の性の不一致にある場合も、どちらも改善のために必要なのは、夫婦が一緒にセックスレスの改善のために行動することです。
特にEDの場合は、なかなか妻に言い出せない夫も多いでしょうが、夫が秘密にすることによって妻も苦しむことになる、ということを忘れないようにしましょう。夫婦が協力してセックスレスを改善することができれば、きっとより夫婦の間の絆も深まるはずです。
よりよい夫婦関係を築き上げるためにも、セックスレスの兆候が現れたら2人でしっかりと話し合い、協力して改善を目指すことが大事だと心に刻んでおいてくださいね!