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公開日:2021/03/04
最終更新日:2021/03/04

性機能障害の一種である「射精障害」について

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性機能障害の一種である「射精障害」について

性行為を行う上で何らかの支障が生じたり、性行為自体が困難になる状態を意味する性機能障害に悩む方は少なくありません。
中でも性機能障害の一種である「射精障害」はED(勃起不全)と並ぶ代表的な性機能障害です。

一概に射精障害といっても特徴は様々であり、複数の種類に分類されます。この記事では、男性の射精障害について解説します。

Contents

射精障害とは

射精障害とは性機能障害の一つです。身体の性機能障害には様々な種類が存在しますが、射精時における射精機能が何らかの原因により阻害される障害です。
精液量の減少や、円滑な精液射出ができなくなる状態などが考えられます。

混同される性機能障害にED(勃起不全・勃起障害)がありますが、EDは男性器が勃起しない状態や、硬さや勃起の継続ができない状態を表す別の障害です。
ただし、射精障害の原因によってED(勃起不全・勃起障害)を併発することもあります。

射精の原理

性的興奮などによる神経刺激に呼応し、男性の付属器が収縮運動を起こすことで、体内に蓄積されている精液が前立腺の平滑筋の圧迫により尿道へと押し出され、尿道を通って陰茎の先端部から体外に射出されます。

射精障害を起こす原因

射精障害が認められる原因は大きく2種類に分類することができます。

【機能的要因】
精神的なストレスや身体的疲労、神経の緊張などの心的要因により射精に障害が発生する場合です。心理的な不安や疾患が原因となっていることが多く、射精障害以外にも、ED(勃起不全・勃起障害)などの性機能障害にも共通する原因です。

【器質的要因】
代表的な身体的要因の一つに包茎があります。亀頭の露出が不十分であることで、粘膜が刺激に弱く射精の統制が効かなくなる障害です。また、間違ったマスターベーション(自慰行為)による刺激を継続的に体感したことで、性行為による射精が困難になる可能性などが考えられます。

リスク

健全な性行為が困難となることにより、夫婦間やパートナーとの人間関係の悪化が危惧されます。妊活を予定している場合には不妊の原因となってしまう可能性も考えられ、健全な射精のために適切な医学的治療が必要になることもあるでしょう。

射精障害の種類

射精障害は症状や原因により、いくつかに分類されています。以下に6つの症状について具体的に解説します。

先天的障害

生まれつき男性器や付属器に何らかの形成異常や疾患が認められ、そのことによって射精ができない、もしくは射精量が少なくなる事例です。本人の自覚がないまま病院やクリニックによる検査で初めて発覚することもあります。後天性の障害に比べ、治療が難しくなる症状もあります。

膣内射精障害

マスターベーション(自慰行為)による射精は可能ですが、性行為による膣内射精ができない障害です。射精障害に悩む男性に最も多い障害といわれており、不妊治療外来を受診する患者など自覚症状がある方以外にも、多くの潜在患者数の存在が予想されています。

膣内射精障害の主な原因は器質的要因と考えられており、不適切なマスターベーション(自慰行為)による射精習慣が元になり、膣内射精ができなくなることが指摘されています。機能的要因としては、不妊治療におけるパートナーに対するプレッシャーなどが考えられます。

早漏

性的絶頂(オルガスム)に到達し、射精するまでの時間が自身の意思に反して短い症状を指します。射精までの時間に医学的な定義はなく、個人の感覚に依存することになりますが、一般的には1分〜2分以内に射精してしまうことが多いとされています。

早漏は、短時間のマスターベーション(自慰行為)や体に疲労が蓄積している状態が原因となります。

遅漏

膣内挿入から射精に至るまでの時間が自身の意図に反して長い症状を指します。早漏と同様に時間に関する医学的な定義は存在しませんが、膣内挿入から射精までに30分以上を要する場合には遅漏と判断されることがあります。

遅漏の原因は様々であり、過度なマスターベーション(自慰行為)や、加齢による感度の低下、服用している治療薬による副作用などが考えられます。

無射精(射精不能)

一般的に性的絶頂(オルガスム)が得られなくなることで起こる症状です。無射精(射精不能)の原因には、男性特有の臓器である前立腺が関係しています。前立腺の疾患により手術を行ったことで神経が傷ついてしまったり、前立腺自体を除去した場合に、射精能力が衰えて無射精(射精不能)となることがあります。

逆行性射精

無射精(射精不能)の中でも比較的多いとされる現象です。人間の体内では、射精時に射精菅を通った精液は尿道側に流れるようになっています。しかし、尿道に流れるはずの精液が膀胱内部へ流れ込んでしまい、結果的に体外へ放出される精液の量が減少したり、無射精(射精不能)となってしまうことを逆流性射精と呼びます。

射精の感覚は存在し、放置しておいても問題はないとされていますが、妊活を目的とした性行為の場合には不妊のリスクが発生するでしょう。主な原因には、前立腺関連の手術や神経障害、服用している薬の副作用が考えられます。

射精障害の治療について

射精障害の治療および改善方法には以下のような手段が存在します。

リハビリテーション

射精障害の多くは、長期間に渡って継続してきた不適切なマスターベーション(自慰行為)が原因です。性器を優しく握り、リラックスした状態で性行為中と同様の速度で行う適切なマスターベーション(自慰行為)により、射精障害を改善することが可能です。

【不適切なマスターベーション(自慰行為)例】
・性器を強く握る方法
・脚部や太腿などに力をいれるなど、特定の体位を取る方法
・床や畳など壁面に性器を押し付ける方法など

カウンセリング

射精障害は機能的要因で発症する可能性もあります。泌尿器科の専門医など、専門家によるカウンセリングを受けることで精神面の不安やストレスを改善し、症状の改善に努めます。

薬物治療

病院やクリニックで処方された治療薬を服用する方法です。治療薬には前立腺肥大症や抗不安薬などの内服薬が用いられることがあります。

外科手術

包茎など男性器の形状や状態が原因となって射精障害が生じる場合には、外科手術による改善が期待できます。

原因を知ることが大切

この記事では、性機能障害の一つである射精障害について解説しました。一概に射精障害といっても種類や症状は多岐に及びます。放置しておいても問題がない症状もありますが、健康的な性行為や妊活に支障をきたすことも考えられます。

自身の性器や射精に少しでも変化や異常を感じたら、病院やクリニックで診察を受けてみることが賢明でしょう。

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