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公開日:2021/03/04
最終更新日:2021/03/04

うつ病や精神障害で射精障害に?抗うつ薬に潜む射精障害の原因とは?

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うつ病や精神障害で射精障害に?抗うつ薬に潜む射精障害の原因とは?

うつ病は現代病といわれ、男性なら10人に1人、女性なら5人に1人がうつ病を経験したことがあり、決して珍しい病気ではなく、誰でもかかる可能性がある心の病気です。
うつ病というと、性周期の変わりやすい女性がかかりやすい病気というイメージがありますが、最近は働き盛りの男性がうつ病を発症するケースが増えています。
男性がうつ病になると性欲が減退し、ED(勃起不全)や射精障害を引き起こすといわれていますが、それは、うつ病が原因ではなく、もしかすると服用している抗うつ薬から強く影響を受けているからかもしれません。
今回は抗うつ薬による射精障害について解説していきます。

射精障害とは?

射精障害とは性機能障害の一つです。身体の性機能障害には様々な種類が存在しますが、射精時における射精機能が何らかの原因により阻害される障害です。
混同される性機能障害にED(勃起不全・勃起障害)がありますが、EDは男性器が勃起しない状態や、硬さや勃起の継続ができない状態を表す別の障害です。ただし、射精障害の原因によってED(勃起不全・勃起障害)を併発することもあります。
射精障害は、逆流性射精、早漏、遅漏、膣内射精障害、射精不能の5つに分類されます。

逆流性射精は、射精時にオーガズムに達するものの、精子の量が少ない、もしくは精子が出ない症状のことです。
早漏は、性行為において、射精を我慢することが出来ず、女性がオーガズムになる前に射精してしまう症状です。
遅漏は、早漏とは逆に適正と思われる時間よりも長い時間、射精に至らない症状の事をいいます。
膣内射精障害とは、自慰行為の場合は射精できるのに性行為では射精できない状態のことです。
射精不能とは自慰行為にも性交渉時にも射精反応が起こらない状態です。

うつ病の治療薬には副作用として「勃起不全」「射精遅延」「性欲減退」などがあり、性生活に支障をきたす場合があります。
うつ病だからEDや射精障害になってしまったと安易に判断してしまっている方もいらっしゃいますが、本当の原因が抗うつ薬にもあることに気が付かない方は非常に多いのではないでしょうか。
「性欲減退」という副作用が抗うつ薬には含まれるため、うつ病の治療を始めると、性行為の機会も激減して勃起不全になってしまうことにさえ、気が付かないこともあります。
ただし、射精不能については、抗うつ薬の影響があるとは考えにくいといわれています。例えば脊髄損傷などの事故を負ってしまい、神経の障害などで射精ができない状態などがあげられます。その場合、精神的に問題はありませんが、一度も射精ができない場合があります。

射精障害の原因とは

それでは、なぜ抗うつ薬の副作用が射精障害や勃起不全等、性機能不全の原因になるのでしょうか。
うつ病の治療でよく処方されるSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、三環系抗うつ薬、抗精神病薬などの中枢神経系作用薬には、セロトニンやノルアドレナリンが含まれています。これらは神経伝達物質と呼ばれるもので、神経の伝達を良好にし、精神を安定させる働きがあるのですが、その作用が体に影響を与え、副作用として現れてしまうことがあります。これが性機能不全を引き起こす原因と言われているのです。

抗うつ薬による射精障害への対策

それでは、抗うつ薬と上手に付き合っていくために、どのような対策をとればいいのかを幾つかご紹介します。

1.様子を見る

抗うつ薬による射精障害は、薬を服用している間だけの一時的なものです。
性機能自体がダメージを受ける心配はないので、自分自身の問題やパートナーとの関係性を考えながら、許容できる範囲であれば、しばらく様子を見ていくのも一つの対策になります。

2.減薬する

症状が安定していて、抗うつ薬を減らしても問題ないのであれば、主治医と相談の上、少しずつ減薬してみるのも一つの方法です。ただし、減薬したからといって、副作用がなくなるということにはなりません。射精障害やEDについては改善することがありますが、性欲減退などの副作用の場合は、あまり効果が見られないことがあります。

3.飲み方を工夫する

薬の影響を出来るだけ少なくしたいという事であれば、「セックス後に服用する」「朝食後に服用する」など、飲み方を工夫するという対策も有効です。
抗うつ薬は、服用後に血中濃度が上がると同時に効果も副作用も高くなり、やがて弱くなっていきます。
例えば、セックス時に血中濃度が少なくなるように、服用時間を調整します。この時も薬の種類などで回数が変わるので、主治医とよく相談の上、行うようにします。
ただ、これに関しても射精障害やEDには効果が見られますが、性欲減退の副作用にはあまり効果が見られないケースが多くあります。

4.改善の可能性のある薬を追加する

抗うつ薬には、副作用を起こすセロトニンをブロックするタイプの鎮静系抗うつ剤があり、この薬は副作用を出にくくするので、まれに性機能不全を改善することがあります。
薬を追加する方法は、副作用を出にくくする目的と併せて、他にもメリットがある場合によく検討されます。
先ほどの鎮静系抗うつ剤には眠りが深くなるので睡眠が不安定な時に有効であるとされています。
また、ED治療薬としてバイアグラが有効であることから、併用されることが多くなっています。米国ニューメキシコ大学健康科学センターで2グループに分け、バイアグラとそれ以外の薬をそれぞれセックスの前に服用させたところ、バイアグラの方が大きく改善が見られたとの結果から、その有効性が実証されています。
なお、軽めの抗うつ剤として「スルピリド」が処方されている場合は、スルピリドの効果によりEDが引き起こされている場合があるので医師に相談の上、薬剤調整を行いましょう。

5.他の抗うつ薬に変更する

これまでお伝えした対策で効果が見られない場合は、性機能不全が少ない他の抗うつ薬に変更する事をお勧めします。実際、薬を切り替えて改善したという方はたくさんいます。
SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)の中でも、性機能不全の副作用が比較的少ない薬がありますが、中には、SSRIと比べて眠気や体重増加といった副作用が強い薬もあります。メリットだけではなくデメリットもしっかりと考慮していく必要があります。

これらの対策を講じる際は自己判断で行わず、必ず主治医や医療機関などに相談するようにしてください。自己判断で薬の調整や中断を行ったことにより、症状が悪化したというパターンが非常に多いことが報告されていますので、注意が必要です。

抗うつ薬だけが射精障害の原因とは限らない

抗うつ薬の服用を中止しても、射精障害などの性機能不全が続いている場合「抗うつ薬の後遺症が残っている」と思われるかもしれません。しかし、抗うつ薬が慢性的な性機能不全を起こすことはありません。
性機能は様々な影響を受けて変化して、抗うつ薬以外の要因も性機能不全の原因として認められます。例えば、食欲や物事への興味の低下、パートナーとの関係性、体調や精神的な不調、生活習慣の乱れ、更年期障害等のホルモンバランスの影響など、原因は多様に考えられます。特にホルモンバランスについては、血中プロラクチン値が高いと性機能不全に繋がります。
プロラクチンはおっぱいを出すホルモンで、その値が高いと、女性の場合は妊娠や子育てをしている状態と同じになり、生理が乱れ、性欲の低下に繋がります。
男性の場合もプロラクチンは分泌されているので、性欲が低下する原因になります。
また、甲状腺ホルモンが減ると、プロラクチン値が高くなり、やはり性機能不全の原因となります。
ほかにも男性ホルモンのテルトステロンが低下すると、性機能不全を起こしやすくなります。その場合は更年期外来を受診してみましょう。治療後に数値が改善したというケースも報告されています。メンタルクリニックと更年期外来などの併用も良いかもしれません。

1人で悩まずに主治医へ相談しましょう

うつ病は、仕事上のストレスが増えやすい働き盛りの男性において、増加傾向にあります。
そして、抗うつ薬を服用する場合、副作用として射精障害などの性機能不全を引き起こすケースも増えています。
診察ではなかなか伝えづらいかもしれませんが、お薬を納得して服用するためにも、悩んでいる方は主治医へ打ち明けましょう。
しかし、性機能不全は、抗うつ薬の影響ばかりでなく、病気の症状や心理面、体調、睡眠・男性更年期障害等のホルモンバランスなど、様々な要因で引き起こされることもあります。
薬の調整や休止などの工夫をしても、症状が改善されない場合は主治医へ相談し、焦らずに改善策を見つけていきましょう。

-男性器の悩み

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