公開日:2020/09/30
最終更新日:2021/04/28

ED治療薬の効果を期待できない方の選択肢となる陰茎海綿体注射

投稿日:2020年9月30日 更新日:

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ED治療薬を飲んで効果を得られない人がいる

ED治療注射_1

優れた血管拡張作用によってEDを解決できるED治療薬ですが、思うように効果を得られない方もいます。
性的刺激がない状態で服用した、食事から過度の油分を摂取した、効果を発現するだけの用量を服用していない、服用する時間が適切ではない、などが原因として考えられるでしょう。
ほかにも射精・オーガズムに関するトラブルなどが起因となることもあります。
ED治療薬は勃起力を引き出すのが目的であり、体質や加齢などが原因で性欲が弱い場合は対応できません。
たとえば性的興奮がまったくない状態で服用しても、勃起力は得られないのです。
性行為をしたい状況にあり、半立ち・中折れなどで悩んでいる状態で使用されます。

ほかの改善方法も検討してみる

すべてのEDに対してED治療薬が効果を発揮するわけではありません。
こうした場合はバキュームデバイスと呼ばれる陰圧式勃起補助具、陰茎海綿体注射(プロスタグランジンE1)、男性ホルモン補充療法などの方法を検討します。
陰茎海綿体注射はED治療に積極的に活用されており、血流障害が原因のEDだけでなく、糖尿病性や前立腺癌の施術に伴うEDなどにも効果的です。
手術による方法は陰茎プロステーシス移植手術や陰茎形成術、血管手術などの選択肢があります。
ED治療薬は性行為のたびに服用する必要がありますが、手術の場合は成功すればEDの悩みを根本から解決できます。

注射で陰茎海綿体を膨張させられる?

日本におけるED治療といえば治療薬を服用する方法が主流ですが、欧米では陰茎海綿体自己注射が積極的に行われています。
かつてはパパベリンを注射する方法が主流でしたが、陰茎海綿体の線維化、持続勃起症を引き起こすリスクがありました。
そこで現在は海綿体の線維化のリスクが低いプロスタグランジンE1が使用されているのです。
この薬剤は正しく使用すればリスクが低く、慢性動脈閉塞症や閉塞性動脈硬化症の治療にも活用されています。
さらにお子さんの動脈管依存性先天性心疾患に導入されることからも、安全性に申し分ないことがわかります。
海外では5人のうち4人がEDの改善効果を実感している薬剤です。
ただし国の認可はおりていないので、治療においてはあくまで自己の判断・責任で行います。
日本性機能学会では自主研究に注力しながら、国からの認可を受けるべく活動しています。

陰茎注射の流れ

注射は本来医療機関で受けますが、自身で注射する分には医療資格を所有していなくても問題ありません。
陰茎注射は自身で行うことができ、薬剤の作り方は事前にアドバイスをさせていただいています。
薬剤の用意ができたら消毒綿で陰茎の横を消毒します。
上手に注射するコツは陰茎を左手で掴んで伸ばし、血管のないところを探して注射することです。
右手で注射器を持ちながら注入しますが、針が浅いと失敗するので根元までしっかりと挿入してください。
注射するときは焦らずにピストンをゆっくりと押します。
部位によって注入のしやすさが変わるため、うまくいかないときは1mm~2mmくらいずらしてみてください。
注入が完了したら止血するために、最低でも1分は注射した部分を指圧します。
使用後の注射器やアンプルは医療ごみになりますから、次回の診察時に持参するようにしてください。
なお自宅で医療ごみを保管する際には密閉ケースを使用します。

副作用が生じる可能性は?

ED治療注射_2

どのような薬剤にもなんらかの副作用があるものです。
陰茎海綿体注射に関しては、50%程度の確率で陰茎痛が認められます。
また6%に4時間以上の持続勃起症、2%に海綿体線維化、1%にめまい・顔面紅潮・不整脈が見られます。
副作用以外のトラブルには脱落があり、陰茎痛や違和感などが主な要因です。

持続勃起症による合併症

陰茎海綿体注射によるED治療を導入する場合は、診察時にテストを実施します。
問題ないと判断された場合にのみ導入されますが、レアなケースとして持続勃起症の発症リスクがあります。
これは性行為後も勃起した状態が持続するもので、薬剤の量が正しくない場合に発生する症状です。
EDの原因で多いのは血管障害ですが、前立腺癌手術に伴うEDを発症した方に関しては血管に問題のないケースが目立ちます。
血管障害がなければ持続勃起症が生じる確率が高くなります。
これに対して血行障害が認められる糖尿病性EDの方に関しては、持続勃起症による合併症は起こりにくいです。

陰茎注射が効果を発揮しない場合は?

ED治療注射_3

バキュームデバイスや陰茎海綿体注射(プロスタグランジンE1)は、ED治療薬の効果が期待できない場合に活用されます。
ただ一部の人は効果が出ない、または適用外になることがあり、その場合は切り札となる陰茎プロステーシス移植手術が選択されるのです。
ノンインフレータブルタイプ(曲げ伸ばし式)、水移動によるインフレータブルタイプ(ポンプ式)があります。
陰茎が勃起する仕組みは陰茎海綿体という組織に血液が流れ込み、飽和状態になることです。
つまり勃起不全とは血管障害により陰茎に十分な血液を届けられない状態です。
さまざまなED治療を試しても効果がない場合は、陰茎海綿体への陰茎プロステーシス移植を検討してください。
比較的楽に手術ができるのはノンインフレータブルタイプで、専門医なら苦労することは稀ですし、局部麻酔による手術で日帰りできます。
日本で未認可の材料を使用しますが、アメリカから個人輸入で取り寄せられます。
手術にかかる費用は手術費用に加えて材料費です。
インフレータブルタイプは高度な治療のため難易度は高くなります。
全身麻酔と入院が必要であり、施術費用は車の購入費用に匹敵するほどです。
これらの方法が成功すれば、ほかの治療法は選べなくなりますが、100%近い確率で性交ができるので問題はないでしょう。
手術のリスクで起こり得るのは感染症であり、その場合は摘出することになります。
施術後に問題が生じるケースは少なくありませんが、信頼できる医療機関・経験豊富な医師から施術を受ければ、失敗するリスクは極めて低いです。
合併症や術後トラブルを防ぐためには、クリニックの施術件数に着目してください。

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