男性ホルモンの低下は、ペイロニー病または勃起不全のいずれかによる性機能障害を有する男性において同様の有病率であり、ペイロニー病の重症度とは相関しない(原題:Low Testosterone Has a Similar Prevalence among Men with Sexual Dysfunction Due to Either Peyronie's Disease or Erectile Dysfunction and Does Not Correlate with Peyronie's Disease Severity)
E. Will Kirby医学博士、Daniel Verges医学博士、Jonathan Matthews医学博士、Culley C. Carson医学博士、Robert M. Coward医学博士
ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシン、第12巻、第3号、2015年3月、690-696ページ、https://doi.org/10.1111/jsm.12805
発行:2015年3月1日
Contents
はじめに
低テストステロン(T)はペイロニー病(PD)の危険因子であり、疾患の重症度と相関する可能性が示唆されている。低テストステロンは性機能障害を有する男性によくみられるが、ペイロニー病の病因におけるその役割は不明である。
目的
本研究の目的は、PDまたは勃起不全(ED)を呈する患者における低T(300ng/dL未満)の有病率、およびPDを有する男性と低Tまたは正常T(300ng/dL以上)を有する男性との疾患の重症度を比較することである。
研究方法
PDまたはEDの男性300人を対象にレトロスペクティブレビューを行った。PDとEDの合併、心因性ED、T使用歴のある男性は除外した。PDの男性については、プラークの大きさ、湾曲の程度、外科的矯正率を比較した。
主要評価項目
主要評価項目は、(i)PDまたはEDの男性における平均T値、(ii)PDで低Tまたは正常Tの男性におけるプラークサイズ、湾曲の程度、外科的矯正率とした。
結果
87人のPD男性と98人のED男性が同定された。PDの男性の平均総T値は328ng/dL、遊離T値は11.5ng/dLであったが、EDの男性の平均値はそれぞれ332ng/dL、12.1ng/dLであった(P > 0.05)。PD男性では52.9%が低T値であったのに対し、ED男性では45.9%であった(P = 0.35)。T値はPD群ではプラークの大きさや湾曲の程度と相関しなかった(P > 0.05)。
結論
PDまたはEDのいずれかを特徴とする性機能障害を有する男性も同様にT値が低く、T値の低さはPDの重症度や外科的矯正率とは相関しなかった。PDまたはEDの男性における低T値の有病率が同程度であったことから、PD男性における高率の低T値は、勃起生理異常を有する男性に共通するプロセスに関連している可能性があり、プラーク形成に特別な原因があるわけではないことが示唆された。