
高脂肪、高ショ糖、西洋型飼料を与えたラットでは、勃起障害が冠動脈内皮機能障害に先行する (原題:Erectile Dysfunction Precedes Coronary Artery Endothelial Dysfunction in Rats Fed a High‐Fat, High‐Sucrose, Western Pattern Diet)
ジャスティン・D・ラ・ファーバー(MS)、イーサン・J・アンダーソン(PhD)、ロバート・C・ヒックナー(PhD)、クリストファー・J・ウィンガード(PhD)
The Journal of Sexual Medicine, 10巻, 3号, 2013年3月,
https://doi.org/10.1111/jsm.12001
発行:2013年3月1日
Contents
はじめに
勃起不全(ED)は心血管疾患の早期危険因子である可能性が示唆されている。
目的
本研究の目的は、EDの発症が欧米食(WD)に反応した冠動脈内皮機能障害の発症に先行するかどうかを明らかにすることであり、それによってWDが時間依存的に内皮に異なる影響を与えるかどうかを明らかにすることである。さらに、食事誘発性EDがセピアプテリン膀胱内投与により可逆的であるかどうかを明らかにすることも目的とした。
方法
雄性Sprague-DawleyラットにWDを4、8、12週間、または対照食を8週間与えた。勃起機能は、セピアプテリン非投与下および投与下で、大骨盤神経節近傍の海綿体神経への電界刺激に対する平均動脈圧(MAP)および海綿体内圧(ICP)を測定することにより評価した。冠動脈内皮機能は、セロトニンで予備収縮させた左冠動脈前下行枝にアセチルコリン(ACh)を累積投与し、生体外で評価した。
主要評価項目
勃起機能は電場刺激に対するICP反応(EFS)として評価し、MAPで正規化した。冠動脈内皮機能は、ACh反応の最大反応の50%を生じる有効濃度(EC50)として評価した。
結果
EFSに対するICP/MAP反応は、8週間および12週間のWD投与により、対照食と比較して有意に減弱した(P < 0.05)。セピアプテリン投与はすべてのWD群でICP/MAP反応を増強した(P < 0.05)。ACh反応の冠動脈EC50は4週あるいは8週ではコントロールと差がなかったが、WD12週では有意に上昇した(P < 0.01)。
結論
これらのデータは,WDに反応して勃起機能が冠動脈内皮機能よりも先に低下することを示唆している。WDラットにおけるセピアプテリンによる勃起機能の改善は、一酸化窒素合成酵素の非カップリングが食事誘発性EDにおける重要な機序であることを示している。