勃起不全男性におけるシルデナフィルの年齢別有効性と安全性(原題:Efficacy and Safety of Sildenafil by Age in Men with Erectile Dysfunction)
The Journal of Sexual Medicine, 第13巻, 第5号, 2016年5月, 852-859ページ,https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2016.02.166
掲載2016年05月01日号
Contents
はじめに
経口ホスホジエステラーゼ5型阻害薬であるシルデナフィルは、ランダム化比較試験において勃起不全の治療薬として広く研究されている。
目的
48件の無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較フレキシブル投与試験のプールデータを用いて、勃起不全の男性11,364人を対象に、年齢サブグループ(65歳未満、65~74歳、75歳以上)に応じたシルデナフィルとプラセボの有効性と安全性を評価すること。
方法
ほとんどの試験の治療期間は12週間であった。シルデナフィルの開始用量は50mgで、性行為の1時間前に服用し、その後は有効性と安全性に基づいて100mgまたは25mgに調節した。硝酸塩療法または一酸化窒素供与薬を服用している男性、重症心不全、不安定狭心症、最近の脳卒中または心筋梗塞の男性は除外された。有効性の解析には、ベースラインおよびランダム化後に少なくとも1回の評価を受けたすべての被験者を対象とした。安全性の解析には、試験薬を投与された被験者が含まれた。
主要評価項目
国際勃起機能指数(International Index of Erectile Function)およびグローバル評価質問(「治療により勃起が改善したか」)。
結果
質問3(挿入の頻度)、質問4(挿入後の勃起の維持)、および勃起機能領域の国際勃起機能指標の平均スコアは、各年齢のサブグループにおいて、シルデナフィルの投与によりプラセボに対して統計学的に有意に改善した;オルガスム機能、性交満足度、性欲、および総合的な満足度領域のスコアもまた、シルデナフィルの投与によりプラセボに対して統計学的に有意に改善した。グローバル評価の質問で勃起の改善を報告した男性の割合は、すべての年齢サブグループでシルデナフィルがプラセボより統計学的に有意に高かった;シルデナフィルの割合は年齢が高くなるにつれて減少する傾向があった(65歳未満:80%;65~74歳:69%;75歳以上:59%)。シルデナフィルの最も一般的な有害事象は、各年齢サブグループで頭痛と潮紅であった。
結論
シルデナフィルは、75歳以上の男性を含め、患者の年齢に関係なく勃起不全に対する有効で忍容性の高い治療法である。