
チャン・チン・マリオ・リオン博士
The Journal of Sexual Medicine, Volume 10, Issue 3, 2013年3月, ページ 782-790, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2012.02975.x
発行:2013年3月1日
Contents
目的
本研究の目的は、中国の中高年層における勃起不全(ED)に対する苦痛、ED治療薬に対する態度、ED治療薬の使用経験を、性的態度、人間関係の満足度、社会人口統計学的要因の観点から説明することである。研究によると、アジアでは相当数の中高年男性がEDに苦しんでいる。しかし、ED治療薬に対する人々の態度は肯定的なものではない。この否定的な態度の影響因子を明らかにしようとした研究はほとんどない。
調査方法
安定したパートナーがいる36~80歳の香港の女性および男性946人を対象に、街頭での対面調査により構造化質問票を実施した。セックスに対する態度、関係満足度、EDに対する苦痛、ED治療薬に対する態度など、ほとんどの変数について、5段階リッカート尺度を用いた単一項目質問による自己報告が採用された。親密な関係におけるセックスの重要性の認識とセックスに対する態度は3項目で評価された。回答者には、ED治療薬を服用したことがあるか、あるいはパートナーのためにED治療薬を購入したことがあるかを尋ねた。
結果
親密な関係におけるセックスの重要性の認識とEDに対する苦痛は、男女ともにED治療薬に対する態度の推定に寄与したが、関係満足度は男性の態度にのみ関連し、女性の態度は他の2つの因子、すなわち関係ステータスと所得水準と関連していた。年齢とED治療薬に対する考え方は、女性、男性ともにED治療薬の使用経験に影響を与えた。男性のED治療薬使用経験は、さらにセックスの重要性の認識、男性の自尊心および交際状況と関連していた。
結論
本研究の結果は、EDに心を痛めながらも治療に消極的な人々を特定するのに役立つであろう。臨床医や公衆衛生政策立案者は、EDに対する正しい理解を促すために本研究結果を活用できるであろう。