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公開日:2023/08/21
最終更新日:2023/08/21

バルデナフィル慢性投与は急性動脈原性勃起不全ラットの陰茎海綿体の構造維持を介し勃起機能を改善する

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バルデナフィル慢性投与は急性動脈原性勃起不全ラットの陰茎海綿体の構造維持を介し勃起機能を改善する

堀田裕二, 服部真由子, 片岡知也, 大野理沙, 三雲真由美, 前田康博, 木村和則, PhD
The Journal of Sexual Medicine, Volume 8, Issue 3, March 2011, Pages 705-711, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2010.02153.x
発行:2011年3月1日

Contents

はじめに

ホスホジエステラーゼ5型阻害薬の慢性投与は勃起不全(ED)の回復に有用である。しかし、この改善のメカニズムは未だ不明である。

目的

この論文の目的は、ラットの急性動脈原性EDに対するバルデナフィル慢性投与による改善のメカニズムを明らかにすることである。

方法

8週齢のWistar-ST系雄性ラットを偽手術ラット(Control群)、両側内腸骨動脈を結紮して急性動脈性EDを誘発したラット(Ligation群)の4群に分け、結紮1週間後から20日間、低用量バルデナフィル(0.4mg/kg/日:VL群)または高用量バルデナフィル(4.0mg/kg/日:VH群)を投与した。

主要評価項目

勃起機能は、海綿体神経の電気刺激後の海綿体内圧(ICP)の変化に基づいて評価し、ICPの曲線下面積/平均動脈圧の曲線下面積(ICP/MAP)で評価した。陰茎海綿体におけるトランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1、血管内皮増殖因子-A、内皮性一酸化窒素合成酵素(eNOS)、誘導性NOS、および神経性NOSのmRNA発現量は、リアルタイムPCR法で測定した。TGF-β1蛋白レベルのウェスタンブロッティングおよび陰茎組織のマッソントリクローム染色は、術後4週間後に各群で行った。

結果

VH群では、ICP/MAPの面積が結紮群と比較して有意に改善した(P < 0.01)。VH群の平滑筋(SM)/コラーゲン比は結紮群に比べ有意に高く(P < 0.05)、Control群と同等であった。VH群のTGF-β1 mRNAおよび蛋白レベルは、結紮群と比較して有意に低かった(P < 0.05)。

結論

バルデナフィルの慢性投与は、ラットの急性動脈損傷後の陰茎血行動態の障害を改善し、海綿体組織のSM/コラーゲン比を正常に維持する。

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