日本の成人男性のうち半分以上の方が大人になってからも包茎であるとされています。包茎でお悩みの方は非常に多く見た目のコンプレックス、衛生面、性行為に対する不安など、悩みの原因も様々です。
近年では包茎を治療する方も増え、クリニックや医療機関でも専門的に治療を行なっているところもあります。実は包茎自体は病気とは言えません。ですが放っておいてもメリットはありません。また、こどもの時の対処法と大人になってからの対処法も違います。
正しい見解と包茎の主な治療法についてご紹介します。
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こどもの包茎と大人の包茎
そもそも生まれてきた赤ちゃんは包茎の状態が正常です。もし生まれてきてすぐの状態が包茎でない場合は別の生殖器の異常を疑わなくてはなりません。急激な成長を伴う思春期(14才~15才頃)までは包皮が剥けていないのは特に珍しいことではありませんので過剰な心配はやめておきましょう。こどもの時に「包皮が剥けない」という理由だけでの治療は不要ということです。
包茎について悩んだり不安になるのは本人ではなく主にご両親の場合が多いです。明らかに異常がある場合や、痛みやかゆみなどで困っていないようなら、まずは自然経過で様子をみましょう。それでも不安な時は気軽に専門医に相談するのをおすすめします。
包茎を自力で治すことは可能か
成人になってからの自力での治療や自然治癒はほとんど期待できません。
通常、ペニスも体の成長と共に変化していくため、成長が止まってしまう18~20歳までに自然に包皮が剥けていない場合、それ以降亀頭の大きさやペニス自体の長さの発育は考えられません。つまり、成人してからだと自然に治すことはできなくなります。ネット等による間違った情報をもとに自分で治療をしてしまうとペニス自体を傷つけてしまう恐れがあるため、自力での治療はせず、専門の医療機関に相談しましょう。
包茎の種類
では、成人になってからの包茎について説明します。
包茎には大きく分けて、仮性包茎、真性包茎、カントン包茎の3種類あります。
仮性包茎
通常時は包皮により亀頭が隠れ見えないが、勃起時には包皮が自然とめくれ亀頭が露出する状態のことを言います。通常時でも自分の手で剥くことも可能ですが、症状により個人差はあります。自分の手で包皮を剥くことができる方は、普段からお風呂などで包皮を剥きしっかり恥垢を洗い落としておきましょう。仮性包茎は気を付ければ日常生活に問題がないため、治療しなくても良いという考え方もありますが、正常な状態に比べると、恥垢がたまり不衛生になりやすく、性病のリスクも高まるため、多くの方は治療を望みます。
真性包茎
通常時でも勃起時でも亀頭が包皮に隠れてしまっている状態のことです。
真性包茎は決して衛生的な状態とはいえず、包皮内に恥垢が溜まり、その恥垢が原因で炎症を起こしたり、ひどい臭いを発したり、性感染症になる可能性が非常に高くなります。また勃起時にも痛みを伴うことがあるので性行為が満足にできません。
早めの治療をおすすめします。
カントン包茎
カントン包茎とは、包皮を剥くことはできるが先端の包皮口が非常に狭いために、最後まで剥けなかったり、剥く際に痛みを生じたり、剥いた後亀頭冠(カリ)に包皮が引っ掛かり戻らなくなる状態のことです。包皮が亀頭冠に引っ掛かり戻らなくなると、亀頭部分を締め付けてしまい亀頭がうっ血状態になります。そのままの状態で放置すると最悪の場合壊死する可能性もあり切り落とさなくてはいけなくなるので要注意です。
カントン包茎の疑いがある場合も早急な治療をおすすめします。
治療の種類
包茎の治療に行われる治療法について主な方法を3つご紹介します。
環状切開法
環状切開法は包茎手術で最も一般的な方法で、ペニスを引っ張り余分な包皮をペニスに沿って環状にカットし、縫合します。縫合には自然と体内に分解される「吸収糸」を使うところが多く、抜糸の必要がありません。手術費用も比較的安く受けることができます。
根部切除法(バクカット法)
根部切除法とは、環状切開法とは違いペニスの根元部分の包皮をカットする方法です。この方法は、ペニスの根本部分から包皮をカットするため陰毛に隠れ傷口が見えにくいのが特徴です。自然な仕上がりを希望する方はこの方法がいいでしょう。ただし、「真性包茎」「カントン包茎」の方はこの治療はできません。
亀頭直下埋没法
亀頭直下埋没法とは、亀頭の真下の部分で包皮をカットし縫合する方法です。
亀頭直下埋没法は最も傷あとが目立たない手術法とされています。ただ、この手術法は医師の技量によって仕上がりの違いが顕著にあらわれてしまうため、クリニック選びには充分に注意しましょう。
まとめ
近年ではインターネットの普及により間違った情報も広がりやすく不安になる方も多くなっています。また、包茎に関しては症状も個人差があり、自分では判断しにくいものです。
ネット情報だけで判断するのではなく、不安がある場合は早急にお近くの専門医の診断をおすすめします。
治療法も様々でクリニックや症状によって異なります。
不安がある方は1つのクリニックで判断するのではなく複数の診断を受けて決めるのも一つの手段です。人生に1度のことですので真剣に向き合い選びましょう。