発展途上国の収縮期心不全患者における勃起障害の有病率( グルジア、トビリシ、東ヨーロッパ )(原題:Prevalence of Erectile Dysfunction in Systolic Heart Failure Patients in a Developing Country: Tbilisi, Georgia, Eastern Europe)
キャシー・ヘバート(MD、MMM、MPH)、ジャティン・アナンド(BS)、パット・トラハン(MS)、マリア・デルガド(MD)、ジョセフ・グリーン(BS)、エリゼ・ジュリアン(BS)、ジェイソン・クオモ(BS)、イリア・ゴギチャイシュビリ(MD、PhD)、ニノ・ノザゼ(MD)、アンドレ・ディアス(MD) ... Show more
性医学ジャーナル、第7巻、第12号、2010年12月、3991-3996ページ、https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2010.01954.x
発行:2010年12月01日
Contents
はじめに
過去10年間で、経済的に発展した欧米化された集団における勃起不全(ED)と心不全(HF)に関する発表が増加している。しかし、発展途上国におけるEDとHFに関するデータは少ない。グルジアは経済発展途上の中低所得国(LMIC)に分類される。
目的
発展途上国およびLMICのHF患者におけるEDの有病率を検討し、うつ病との関連を評価すること。
方法
グルジア・トビリシの心不全疾患管理プログラムにおいて、心エコー図による駆出率が40%以下の18歳以上の男性患者を対象とした観察的横断研究を実施した。EDの程度による分類にはSexual Health Inventory for Men(SHIM)調査が用いられた。ニューヨーク心臓協会の機能分類など、EDと関連することが知られているベースラインの臨床的特徴も記録した。
主要評価項目
SHIM調査および9問の患者健康調査票。
結果
EDの有病率は61.7%であった。ED患者はEDでない患者よりも概して高齢で、末梢血管疾患が多く、抑うつレベルが高かった。
結論
グルジアのトビリシに住むHF患者ではEDの有病率が高い。以前に発表されたHF患者集団のデータと比較すると、われわれのグルジア人集団はEDの程度が低かった。EDの有病率が低いことの因果関係をより明確に説明するためにはさらなる研究が必要であるが、糖尿病の程度が低いことやβ遮断薬などの治療の側面が説明に含まれるかもしれない。LMICの医療提供者は、すべての男性HF患者にEDのスクリーニングを行い、適切な治療を提供すべきである。