監修:成田 学史
1987年生まれ 北海道釧路市出身 |
性病は、特に若い世代での感染が多いことが特徴。現在では日本国内だけでも、約600万人もの患者がいるといわれています。なぜ、これほど多くの人が感染してしまうのでしょうか。
性病は、予防ができる病気です。きちんと予防するために、感染が起こる原因や予防方法を、正しく知っておくことが大切です。
今回は、性病の原因とは一体何なのか、徹底的に解説します。
Contents
性病はデリケートな病気
性病は、感染した人にとってはとてもデリケートな悩みです。
感染したことが恥ずかしくて誰にも相談できない方や、治療が怖くて病院を受診しないという方もいらっしゃいます。誰にも相談ができず、ひとりで悩んでいる方もいるかもしれません。
また、性病にかからないためにも性病に関する知識を知っておくことが大切です。
感染が起こる原因とは
性病は、その名の通り性行為によって感染します。自分、もしくは性行為を行うパートナーが病原体を保有していると、感染する可能性があります。しかし、お互いに保菌していない場合、性病の感染は起こりません。
では、原因といわれる病原体は、一体どこに潜んでいるのでしょうか。気づかないうちに病原体に侵入されてしまうと、とても怖いですよね。
自分がその病原体を保菌していない場合は、パートナーの体液の中に潜んでいます。体液とは、具体的に精液や腟分泌液、血液のことで、これらが自分の体や粘膜に付着することで、病原体が体内に入ります。
感染を防ぐ方法は?
性行為中に相手の体液に触れてはいけないというのは、とても難しいですよね。では、感染を防ぐための方法は何もないのでしょうか。
実は、コンドームを装着することで感染の危険を大幅に減らすことができます。コンドームは避妊だけではなく、性病の感染を防ぐためにも役立つ道具なのです。コンドームを使うと、お互いの粘膜、または皮膚に体液が触れることを防げます。
どのような予防にも限界がある
コンドームの使用では予防に限界があり、コンドームをしていたからといって感染していないという証言はできません。
性行為ではなくても性病に感染することがある
実は、性病は性行為以外でも感染することがわかっています。
性行為以外にも、性行為に類似する行為を行うことで、感染が引き起こされる場合もあるのです。
では、それは一体どのような行為のことを指すのでしょうか。
オーラルセックス
性病の感染率が非常に高いといわれている行為です。口腔内も粘膜なので、相手の体液が口腔内に触れると感染する確率が高いからです。
また逆の場合として、口腔内の細菌やウイルスが、相手の性器に移ってしまうこともあるでしょう。
さらに、性病の中には性器やその周辺の皮膚だけではなく、のどに発症するものも確認されています。その代表的なものは「クラミジア感染症」「淋病」といった病気です。
このふたつは国内でも感染者が多く、オーラルセックスをすることで自分は保有していなかったのに、のどに病原体が移り、これらの病気を発症することも考えられます。
キス
キスは老若男女誰でも行うもので、性病とはまったくイメージが結びつきませんよね。しかし、現実にはキスによって性病が感染することも報告されています。これはつまり、必ず性器などを経由して感染するわけではない、ということです。
どちらかが病原体を保有している場合、口の粘膜同士が触れることで感染が引き起こされることもあるのです。
ヘルペスなどは口同士の接触でも感染が起こります。つまり、口のまわりの粘膜や皮膚に病原体が潜んでいれば、キスだけでも感染してしまうことがあるのです。ヘルペスだけではなく、のどにクラミジア感染症や淋病が感染している場合は、特に注意しましょう。
軽いキスだけでは感染する確率は低いですが、ディープキスなどはお互いの粘膜が触れ合い、さらに唾液も介すことになるので感染の可能性が高まります。
アダルトグッズ
感染者の体液がアダルトグッズなどに付着していると、それを触ることで移ってしまう可能性があります。アダルトグッズを触った手で口や性器などを触ると、性病に感染する可能性があるでしょう。
オーラルセックスもコンドームを装着しよう
性病の感染を防止することを最優先に考えた場合、オーラルセックスであってもコンドームを装着した方が良いでしょう。
パートナーを疑うというわけではなく、性病は感染しても無症状で自覚がないことが多く、検査を受けない限り自分では感染に気づきにくい病気です。万が一のことを考えると、オーラルセックスであったとしても、コンドームを付けることをおすすめします。最近では、さまざまなフレーバー付きのコンドームが発売されています。ゴムの感触が辛いという方は、フレーバー付きのコンドームを検討してみましょう。
キスからの感染を防ぐには
実は、キスは口の粘膜同士が触れ合う行為のため、有効な予防方法はほとんどありません。
しかし、大切なパートナー同士でキスもできないというのは、とても辛いことですよね。どうしても心配な時は、性病の検査を受けることをおすすめします。検査を受けることで性病に感染しているかどうかが判明します。
性病が心配な時はどうすればいい?
絶対に性病に感染したくない、安心して性行為を行いたいという場合は、性病の検査を受けるようにしましょう。たとえ無症状であったとしても感染の有無がハッキリします。
もしかしたら性病に感染しているかも、と悩まれていた方も、検査を受けることで結果がわかり、スッキリできるでしょう。
また、不特定多数の人たちと性行為を行っている方は、定期的に検査を受けられることをおすすめします。不特定多数の人たちと性行為を行うということは、その分性病の感染リスクが高まります。
もし性病に感染した場合、直接関係がない家族にも感染させてしまう危険性があるので、定期的に検査を受けて陰性であることを確認しておきましょう。
また、定期的に検査を受けることで性病の感染拡大を防ぐこともできます。検査を受けるメリットはたくさんあるので、ぜひ検討してみてください。
性病の検査はどこで受けられる?
性病の検査は、病院やクリニックで受けることが可能。また、地方自治体の保健所で検査を受けることもできます。
病院・クリニックでの検査
検査は病院やクリニックで受けられる方が多いでしょう。病院やクリニックで検査を受ける場合は、基本的に自分の都合に合わせて検査を受けることが可能。また、検査できる性病の項目も多く、幅広い項目で検査できます。
すでに自覚症状がある場合は、健康保険が適用されることも。ただし、自覚症状がなく不安なので検査を受けたい場合は自費診療となることがあるので注意が必要です。自覚症状がなく検査を受ける場合は、事前に費用のことを確認しておくと良いでしょう。
ただ、病院やクリニックでは匿名で検査を受けることができません。名前を病院の人に知られたくない場合や、プライバシーを守りたい方は保健所での検査も視野に入れてみましょう。
保健所での検査
保健所で検査を受ける場合、基本的には検査費用は無料です。そのため検査は格安で済ませたいという方は、保健所での検査がおすすめです。
保健所で検査を受けるメリットとしては、匿名で検査を受けられるという点です。
プライバシーを守りたい方は、無料で匿名で受けられる保健所の検査を受けた方が良いでしょう。
しかし、保健所では検査できる性病の項目が多くありません。基本的にHIV・梅毒・淋菌・クラミジア感染症の4種類しか検査できないところがほとんどでしょう。また、保健所の検査は受けられる日程が限られており、事前に確認が必要です。
もし検査で陽性反応が出た場合は、保健所で治療を行うことはできませんので、病院やクリニックの受診が必要です。
正しい予防を行って、しっかり対策しましょう!
性病は、さまざまなルートから感染する病気。直接関係がない家族にも感染させてしまうリスクがあるので、特に注意が必要です。
ただ、正しい予防を行ってしっかりと対策をすれば、それほど恐れる病気ではありません。性行為を行う場合は、感染リスクを減らすためにもコンドームを着用するようにしましょう。
また、定期的な性病の検査もおすすめです。しっかりと対策を行って、大切なパートナーや家族を守りたいですね。