公開日:2021/02/02
最終更新日:2021/02/17

包茎手術のリスク【元日本美容外科学会会長が解説】

投稿日:2021年2月2日 更新日:

亀頭炎・包皮炎が起こりやすく、かゆみや痛み・恥垢が溜まり炎症を起こしやすくなります。
このため亀頭部や包皮に微細な亀裂の創が出現して、尖圭コンジローマ、梅毒など性感染症の感染リスクが包茎でない方と比較して各段に高くなります。

Contents

後悔しない包茎手術のリスクと失敗例

包茎手術のリスクとは

■仮性包茎
・術後感染
・縫合不全
・出血・血種形成
・過剰切除や縫合部位の瘢痕拘縮による勃起障害

■カントン包茎
・術後感染
・縫合不全
・出血・血種形成
・過剰切除や縫合部位の瘢痕拘縮による勃起障害
・嵌頓解除不足による絞扼、亀頭や包皮の浮腫、循環不全

■真性包茎
・術後感染
・縫合不全
・出血・血種形成
・過剰切除や縫合部位の瘢痕拘縮による勃起障害
・嵌頓解除不足による絞扼、亀頭や包皮の浮腫、循環不全

どのような失敗例があるのか?

■仮性包茎
・包皮の切除不足による亀頭露出不全
・包皮の過剰切除による勃起不全、勃起障害
・醜い傷跡、いわゆるツートンカラー。縫合部位の凸凹

■カントン包茎
・絞扼部位の解除不足による亀頭露出不全
・包皮の過剰切除による勃起不全、勃起障害
・醜い傷跡、いわゆるツートンカラー。縫合部位の凸凹

■真性包茎
・絞扼部位の解除不足による亀頭露出不全
・包皮の過剰切除による勃起不全、勃起障害
・醜い傷跡、いわゆるツートンカラー。縫合部位の凸凹

なぜそのような失敗が起きるのか?

仮性包茎とカントン包茎、真性包茎は3つとも同じです。
・医師の経験・技量不足
・手術前のデザインのミス
・溶ける糸での縫合による縫合部位の凸凹

包茎手術のクレームが多いのはなぜ?

■仮性包茎、カントン包茎、真性包茎

・包茎専門で行っている医師の中には包茎以外の形成外科的、美容外科的手術の経験や知識が無い医師が少なくないこと
・美容的センスは包茎手術でも必須であるが美容外科手術のトレーニングを受けていないため正確なデザインが行えない医師が少なくないこと
・営利優先の医療機関が少なくなく 不必要な処置や手術が行われている実情がある
・手術前のインフォームドコンセントが不十分なこと
・カウンセラーという医療資格を持たない人間による手術の説明や追加治療の営業行為が優先されている施設が少なくないこと
・価格が不透明で 広告で5万円と謳ってあっても追加オプションで数百万円要求されることも
・包茎手術に不必要なヒアルロン酸注入による亀頭増大治療を勧められ亀頭壊死に陥るケースもある。
・手術台に乗ってから数々のオプションを勧められ 冷静な判断がないまま手術や治療を承諾して術後の経過が悪く 価格や結果に大きな乖離があること
・衛生面で問題がある医療機関も存在し 手術に必要な十分な衛生管理が行われていない
・バイト医師で手術を行い 常勤医がおらず 診療日は看護師もしくは男性カウンセラーだけでアフター処置をおこなう医療機関も実際に存在する。
・傷のケアや術後の処置が丁寧に行われていないケースが多く最先端の創傷治療理論に基づいた診療が行われていない
・技術を持った美容外科専門医は包茎専門クリニックでの治療を躊躇するケースが少なくない
・コンプレックスビジネスとして被害に遭っても訴えずらい

手術費用が安いor高い何が違う?

各医療機関で決定し医師の技量や能力の差によらない。
営利を優先するクリニックほど高額になる傾向があり安すぎても高すぎても問題があり適正価格がなかなか決まっていない。
医師ではなく男性カウンセラーが手術費用を決定している医療機関も存在する。

真性包茎以外は絶対に保険使えないの?

亀頭部露出が困難な包茎である絞扼性包茎(いわゆるカントン包茎)も疾患として認められるため保険診療の適応となります。

後悔しない包茎手術、失敗しないためのクリニック・医師の選び方は?

・溶ける糸での手術を勧めないこと(手術後は抜糸が原則)
・手術費用が明確に決まっており過剰なオプションが存在しないこと
・手術担当医は美容外科医もしくは形成外科医としての経験が15年以上
・男性カウンセラーという医療資格を持たない営業を行う存在がいないこと
・リスクや傷跡の事を必ず術前に説明してくれること
・術後の傷のケアを丁寧に行ってくれる
・説明する医師、手術する医師、術後のケアする医師が全て同じで責任を持って治療にあたってもらえること
・ローンを組ませて手術を勧めようとしないこと
・担当する医師の名前、経歴や経験が明確に確認できること
・ネットでの評判やトラブルの有無の確認(過度な良い評判は専門PR会社へ依頼して評価を書かせている場合もあり注意が必要です。)
・手術する担当医師が常勤・常駐して、アルバイト医師ではないことを必ず確認する事
・術後のトラブルが起こった時の対応や補償などを確認する事

です。

クリニックのホームページのどこをチェックしたら良い?

医師のプロフィールです。
誰がオーナーかわかれば、医師本人であれば責任は全て管理開設者でオーナーの医師にかかるためバイト感覚での手術は行いません。

末武院長が選ぶ包茎手術のキレイなデザインや形とは?

ツートンカラーにならないように亀頭に近い部位で術後に傷跡が包皮で隠れるようにデザインを行います。
過剰切除にならないように 術前に勃起時を想定したデザインを行い包皮にゆとりを持たせて切除を行います。
包茎手術の結果は殆んどデザインで決定するといってもよいほどデザインが大切です。
亀頭冠より3-5mm下を切開しこの部位に縫合部を置くことで勃起していない平常時に傷跡が包皮で隠れ見えないように仕上げます。
縫合はぴったりと一致させるようにすると傷跡はほとんど目立たなくできます。
これは全て経験によります。
陰茎の形状や大きさ・包皮の状態などは個人差が大きく、個人個人のオーダーメイド的に手術をするためには長年の医師の経験や技術、美容的センスが必要です。
包茎手術には美容外科の基本テクニックの全てが詰まっている手術なのです。

私のこれまで多くの美容外科医の指導を行ってきましたが、包茎手術が完璧にできれば美容外科医としての基本がマスターしたと考えてよいと教えてきました。

1:デザイン
2:麻酔
3:切開
4:組織剥離
5:組織・包皮切除
6:止血
7:縫合
8:ドレッシング
9:ケア
10:抜糸

1- 10は全ての手術の基本手技なのです。

個体差が大きな包茎手術は、患者様一人一人に応じた適切な対応が必要です。

これは一長一短で身につくものではありません。デザインは医師のセンスや経験が試されます。
痛みのない麻酔は患者様の苦痛を取り除きます。正確な切開を行う事で縫合がスムーズにいきます。剥離し切除する時間の短縮は手術時間を大きく短縮し医師の技量によります。

止血をしっかり行えば術後の出血や血種形成というリスクが回避できます。
正確な縫合は細かく縫合することではありません。
細かく縫合することで血流が悪くなり傷跡が治りにくくなったり汚くなる可能性もあるのです。
創部の適切なドレッシングは創傷治癒には必須です。
患者様がご不安を生じないようにケアをしっかり行い抜糸して傷の治りをしっかりと確認して手術の全ての流れが終了となります。

全ては丁寧に説明や手術を責任持って常勤である院長が行う医療機関で手術を受けられますことをお勧めいたします。
決して有名なクリニックだから技術が上だとか最先端の手術を行っているということはありません。

 

執筆者である末武信宏先生(さかえクリニック院長)のご紹介

美容外科専門医である末武信宏先生。信念を持った治療・医療サービスを、さかえクリニックにて提供されています。
また、医学書DVD、ビデオの監修・指導や、各種講演・セミナーの出演など、活動の幅が広く、サロン等へのコンサルティングも行っています。


 

経歴

1987年 国立岐阜大学医学部卒業

1987年 岐阜大学医学部附属病院第一外科入局

1991年 全国主要都市の大手美容外科クリニックで若手医師の指導、チーフドクター

1996年 さかえクリニック開業

2011年 順天堂大学医学部大学院 医学博士取得

2012年 順天堂大学医学部 非常勤講師

所属学会・資格

日本美容外科学会認定専門医(第219号)

プロボクシングトレーナーJBC認定(NO.31532)

国際抗老化再生医療学会 認定指導医

平成23年3月医学博士(甲)順天堂大学医学部 病院管理学

第88回日本美容外科学会会長

NPO法人日本美容外科医師会常任理事 2005年11月~2011年3月

日本臨床発毛協会学術顧問

一般社団法人 先端医科学ウエルネスアカデミー(AMWA)副代表理事

一般社団法人 日本臍帯・プラセンタ学会筆頭理事 2014年10月~2017年5月

一般社団法人 日本視覚能力トレーニング協会監事

AROMA BEAUTY LIFE COLLEGE

日本美容外科学会誌編集委員 2005年6月~2009年3月

スポーツ医学、抗加齢医学、美容外科、美容皮膚科、創傷治療学、性感染症

日本美容外科学会

日本美容皮膚科学会

日本臨床スポーツ医学会

日本眼科手術学会

日本医療・病院管理学会

国際抗老化再生医療学会

日本温泉気候物理医学会

 

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