てんかんと勃起不全の関連: 集団ベースの研究によるエビデンス (原題:Association Between Epilepsy and Erectile Dysfunction: Evidence from a Population-Based Study )
ジョセフ・ケラー医学博士、イークアン・チェン医学博士、ハーンチン・リン博士
The Journal of Sexual Medicine, 第9巻, 第9号, 2012年9月, 2248-2255ページ, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2012.02670.x
発行:2012年9月1日
Contents
はじめに
てんかんと性障害との関連は古くから知られているが、てんかんと勃起不全(ED)との関連を検討した研究はほとんどない。
目的
この集団ベースの症例対照研究は、EDとてんかんの診断歴との関連を調査することを目的とした。
方法
本研究では、台湾のLongitudinal Health Insurance Database 2000のデータを用いた。症例は、EDと診断された患者6,427人と、10歳階級および指標年に基づいて症例と頻度照合された対照32,135人から成る。条件付きロジスティック回帰を用いててんかん既往のオッズ比(OR)を算出した。
主要評価項目
症例と対照のてんかんの有病率とリスク。
結果
1,358人(19.7%)が症例、2,503人(12.1%)が対照であった。高血圧、糖尿病、高脂血症、腎疾患、冠動脈性心疾患、肥満、アルコール乱用/アルコール依存症候群、社会経済的状態を調整した後、条件付きロジスティック回帰分析を行ったところ、ED患者は対照群に比べ、以前にてんかんと診断されている可能性が高いことが明らかになった(OR = 1.83, 95% CI = 1.51-2.21)。対照群と比較して、症例における全般てんかんおよび部分てんかんの既往の調整ORは、それぞれ2.13(95%CI=1.52-3.00)および1.64(95%CI=1.31-2.06)であった。最も顕著な関連は、30〜39歳のED症例で検出され、その症例はてんかんと診断されたことがある可能性が対照群の3.04倍(95%CI = 1.67-5.50)であった。
結論
我々の所見は、EDとてんかんの診断歴との間に正の相関があることを示唆している。