
肥満、脂質異常症、勃起不全:北米性医学会小委員会報告書(原題:Obesity, Dyslipidemias and Erectile Dysfunction: A Report of a Subcommittee of the Sexual Medicine Society of North America)
The Journal of Sexual Medicine、第3巻、第5号、2006年9月、778~786ページ、https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2006.00286.x
発行:2006年9月1日
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/3/5/778/6883118?redirectedFrom=fulltext
要約
生活様式の座りがち化と飽和脂肪の多い食生活により、欧米化した国々では肥満と脂質異常症が一般的になり、その有病率は増加している。縦断的な地域住民を対象とした研究では、高脂血症や肥満、高血圧、糖尿病、喫煙などの要因が動脈硬化の主な危険因子であることが明確に示されている。 臨床および動物モデルの両方で内皮機能障害が確認されており、動脈硬化は脳血管および心血管系の罹患率の増加につながることが確認されている。 脂質低下剤を用いた臨床研究では、ヒドロキシ‐3‐メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤が血管系の罹患率のリスクを減少させることが実証されている。動物モデルによる研究結果がますます増えているが、高コレステロール血症と動脈硬化は勃起不全(ED)発症のリスク要因であることが証明されている。肥満と脂質異常症がED発症のリスク要因となるという因果関係については、査読付きの科学的研究により、さらに明確にする必要がある。今後の課題は、肥満と脂質異常症をコントロールすることがED発症と勃起機能の改善にどのような効果をもたらすかを明確にすることである。