勃起不全と脳血管障害の病変との相関 (原題:Correlation of the Erectile Dysfunction with Lesions of Cerebrovascular Accidents)
チョン・サンウォン医学博士、ユ・クハン医学博士、キム・テファン医学博士、キム・ジン医学博士、イ・チュンヒョン医学博士
The Journal of Sexual Medicine, Volume 6, Issue 1, January 2009, Pages 251-256, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2008.00923.x
発行:2009年1月1日
Contents
はじめに
最近のヒトおよび動物実験から、陰茎の勃起を制御する中枢の棘上システムは、主に前頭葉と辺縁系に局在し、勃起に関与していることが報告されている。
目的
本研究の目的は、勃起不全(ED)と脳血管障害(CVA)病変との相関を明らかにすることである。
方法
2006年3月から7月までに当院を受診したCVA患者の中から44名の男性を抽出した。国際勃起機能質問票(IIEF)の勃起領域スコアが22点未満の患者に対して、リジスキャン装置を用いて視聴覚性刺激(AVSS)テストを行った。十分な勃起機能の基準は、60%以上の硬直が5分以上続く勃起事象とした。CVA病変は前頭葉、前頭葉以外の大脳皮質、大脳基底核、視床、その他の部位に分類した。ED群と非ED群の各CVA病変を比較した。
主要評価項目
IIEF、リジスキャンを用いたAVSS。
結果
38名の患者のIIEFの勃起領域スコアが22点未満であったため、AVSSテストを行った。18人はEDなし、20人はEDであった。ED群の平均年齢は60.40±2.2歳、非ED群の平均年齢は55.29±1.85歳であった。両群の平均年齢に統計学的有意差はなかった(P = 0.081)。両群のCVA病変を比較したところ、ED群では視床領域のCVA病変が非ED群より有意に多かった(P = 0.010)。
結論
IIEFでEDが示唆された患者(47.4%)はAVSSでEDを認めなかった。視床部にCVA病変を有する患者は、他の部位にCVA病変を有する患者よりもEDを示すことが多かった。