1型および2型糖尿病患者における勃起不全:同じ診断(ICD-9)でも異なる疾患?(原題:Type 1 and Type 2 Diabetic‐Erectile Dysfunction: Same Diagnosis (ICD‐9), Different Disease?)
The Journal of Sexual Medicine, 第6巻、第3号補遺、2009年3月、262~268ページ、
発行:2009年3月1日
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/6/Supplement_3/262/6834455?redirectedFrom=fulltext
Contents
はじめに
高血糖は1型および2型糖尿病の両方に共通する特徴であるが、インスリンや脂質レベル、肥満状態、炎症性因子プロファイルなど、これらの疾患を区別する多くの独特な特徴がある。実験室では、1型および2型糖尿病の動物モデルにおいて勃起不全(ED)の存在が確認されている。
目的
本研究の目的は、1型糖尿病と2型糖尿病の動物モデルにおけるEDに、それぞれ特有のメカニズムが存在するかどうかを明らかにすることである。
主要評価項目
EDには、弛緩性シグナル伝達の障害、収縮感受性の増大、静脈閉塞性障害など、多くのメカニズムが関与している可能性がある。
方法
PubMedを使用して、1型糖尿病と2型糖尿病の動物モデルにおけるEDのメカニズムについて、何が知られているかを評価するために文献を調査した。
結果
1型糖尿病の齧歯類では海綿体血管拡張の障害が確認されている。この機能障害は、非アドレナリン性・非コリン性神経伝達における重度の欠陥、および陰茎内皮機能の障害によって媒介されていると考えられる。一方、2型糖尿病の動物では、副交感神経を介した弛緩機能の障害は最小限であるようですが、内皮機能障害の兆候は認められます。2型糖尿病モデルでは、海綿体の収縮感受性の著しい顕著な増加と、著しい静脈閉塞性障害も認められますが、これらは1型糖尿病の動物では一貫して報告されていません。
結論
1型および2型糖尿病の動物モデルにおけるEDの表現型の根底にある明確なメカニズムを踏まえ、糖尿病性EDの治療をこの疾患合併症の特定のメカニズムに合わせた治療を行うことが正当化される可能性がある。したがって、糖尿病患者におけるEDのメカニズムをさらに詳しく調べることで、泌尿器科医が糖尿病性EDを診断、分類、治療する方法に大きな変化がもたらされる可能性がある。