HIV感染と勃起不全の有病率との関連(系統的レビューとメタ分析)(原題:Association Between HIV Infection and Prevalence of Erectile Dysfunction: A Systematic Review and Meta-Analysis)
The Journal of Sexual Medicine, 14巻, 9号, 2017年9月, 1125-1132ページ,https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2017.07.001
掲載2017年08月01日論文履歴
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背景
HIV陽性男性における勃起不全(ED)の有病率は、一般集団の基準値を上回ることが報告されている。しかし、HIV感染者のED有病率が有意に高いかどうかについては、メタ解析や決定的なレビューで検討されていない。HIV感染とED有病率との正確な関連を調べる。
方法
PubMed、Embase、Medline、Cochrane Libraryのデータベースを検索し、2016年12月までに発表されたHIV感染とED有病率との関連に関する研究を同定した。相対リスクおよび対応する95%信頼区間も検索した。HIV感染とED有病率との関連性の強さを推定するために、有意リスクと対応する95%信頼区間を用いた。対象としたコホート研究の方法論的質は、Newcastle-Ottawa Scaleを用いて評価した。横断研究の質の評価には、横断研究の質に関する方法論チェックリストを用いた。潜在的なバイアスを評価するためにitivity analysisを実施した。研究はMOOSE(Meta-Analyses and Systematic Reviews of Observational Studies)のガイドラインに従って実施された。
目的
HIV感染とEDの有病率との間の関連性の強さを、要約された未調整のプール相対リスクおよび95%信頼区間を用いて評価した。4,252人が参加したコホート研究および3件の横断研究が対象となった。 平均年齢 対象者の年齢は35.2~52歳であった。ランダム効果モデルを用いた全研究の解析では、HIV感染はED有病率の増加と有意に関連していた(相対リスク=2.32、95%信頼区間=1.52-3.55、P< 0.001)。含まれる研究間で有意な異質性が認められた(I2= 84%、P< 0.001)。 Esti 総効果の測定値は、感度と概ね一致した。
臨床的意義
HIV感染者はEDの有病率が有意に高かったことから、HIV感染者を管理する際にはEDが臨床医にとって重要であることが示唆された。強さと限界本研究の長所は、HIV感染とEDの有病率の関係を調査した最初のメタアナリシスであることである。 限界は以下の通りである。また、すべての研究が観察研究であり、想起バイアスや選択バイアスを誘発する可能性があることである。イオンエビデン観察研究により、有意な異質性があるにもかかわらず、HIV感染者はED有病率が有意に高いことが示唆された。 より多くの再 HIV感染とEDの有病率の関係を明らかにするために研究が必要である。