高血圧男性における厳格な血圧管理は勃起不全の発生率の低下と関連する(原題:Tighter Blood Pressure Control Is Associated with Lower Incidence of Erectile Dysfunction in Hypertensive Men)
The Journal of Sexual Medicine, 第16巻, 第3号, 2019年3月, ページ 410-417,https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2019.01.011
掲載された:2019年03月01日
Contents
はじめに
より厳格な血圧管理はより良好な勃起機能と関連すると広く考えられているが、データの大部分は高血圧の二項対立表現に限られており、血圧管理の程度を調べる試みはなされていない。
目的
長期にわたる最適な血圧コントロールと勃起不全(ED)の発症との関連を、強力な男性コホートにおいて明らかにすること。
方法
統合医療システムにおいて新たに高血圧と診断された男性患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究を行った。患者は、収縮期血圧および平均収縮期血圧からの乖離の順序カテゴリーによって測定された、さまざまなレベルの血圧コントロールを有する高血圧への曝露によって層別化された。
主要アウトカム評価項目
2年以内にプライマリケアまたは泌尿器科でEDの診断が2例以上、2年以内にED治療薬の処方が2例以上、またはEDの診断が1例とED治療薬の処方が2例以上あった場合をED発症と定義した。
結果
新たに高血圧と診断された男性39,320人を同定した。全体のED発症率は13.9%で、平均追跡期間は55.1±28.7ヵ月であった。平均収縮期血圧が高いほど、用量依存的にEDのリスクが高かった(傾向検定,P< 0.001)。血圧コントロールのばらつきが大きいと、EDの発症率が高く(OR[95%CI];1.359[1.258-1.469])、ED発症までの期間が短かった(対数順位、P<0.0001)。
臨床的意義
これらのデータは、高血圧男性が高血圧治療レジメンをよりよく遵守するための動機付けになると考えられる。
長所と限界
本研究はレトロスペクティブなものであるため、より厳格な血圧管理とEDとの関連以上のものを示すことはできない。本研究の長所としては、サンプルサイズが大きいこと、コミュニティコホートであること、追跡が完全であることなどが挙げられる。
結論
高血圧と診断された成人において、収縮期血圧の平均値および平均値からの乖離によって測定される血圧管理の厳格化は、EDの発症率の低下および発症までの期間の延長と関連している。