経口ホスホジエステラーゼ5型阻害薬による勃起不全と中枢神経疾患の治療(原題:Treating Erectile Dysfunction and Central Neurological Diseases with Oral Phosphodiesterase Type 5 Inhibitors. Review of the Literature)
ジュゼッペ・ロンバルディ医学博士、フェデリコ・ネッリ医学博士、マリア・チェルソ医学博士、マルコ・メンカリーニ医学博士、ジュリオ・デル・ポポロ医学博士
The Journal of Sexual Medicine, 第9巻, 第4号, 2012年4月, 970-985ページ, https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2011.02615.x
発行:2012年4月1日
Contents
はじめに
勃起不全(ED)は中枢神経障害(CND)患者の高い割合で報告されている。
目的
CNDおよびED患者に対する経口ホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5):シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルに関する最新のレビュー。
主要評価項目
15の質問からなる国際勃起機能指数(International Index of Erectile Function)など、EDに関する各種質問票。
方法
CNDおよびED患者を対象にPDE5の有効性と安全性を評価した国際的に発表された臨床研究を選択した。
結果
全体として、CNDおよびED患者の治療に使用されたPDE5に関する28の論文が含まれた。3つのPDE5のそれぞれについて、プラセボまたは勃起ベースラインと比較した文献では、脊髄損傷(SCI)患者においてのみ、統計的に有意な改善(P < 0.01; P < 0.05)が報告された。PDE5の有効性は脊髄損傷患者において10年後まで証明されている。PDE5の有効性を予測できる最も頻度の高い因子は、上部運動ニューロン病変の存在であった。3つのシルデナフィルの臨床試験では、パーキンソン病患者において勃起機能が統計的に有意に改善したことが報告されている(P < 0.01; P < 0.05)。多発性硬化症(MS)患者に対するシルデナフィルの有効性については、2つの研究で不一致の結果が報告された。タダラフィルに関する1つの研究では、ベースラインに対して勃起に統計学的に有意な有効性が示された(P < 0.01; P < 0.05)。唯一の二分脊椎に関する論文では、シルデナフィルは勃起機能を著しく改善した。全体として、欠点は、シルデナフィルが重度の低血圧を引き起こした多系統萎縮症の被験者を除いて、ほとんどが軽度から中等度であった。
結論
PDE5はSCI患者に対してのみ第一選択のED治療薬であるが、メタアナリシスによる治療成績は得られなかった。パーキンソン病とMS患者については有望な結果が報告されている。その他のCND患者に対するPDE5の使用は、うつ病および/または性内分泌機能障害によるEDおよび付随するリビドー障害、PDE5が神経疾患の悪化を引き起こす可能性があるなど、さまざまな理由から制限されている。PDE5の使用の可能性について患者にカウンセリングできる医療専門家が常駐する医療センターが必要である。